釧路湿原・SL丹頂鶴撮影の旅
2018.2.3~4
厳寒の釧路湿原を真っ黒い煙を吐きながら疾走するSLを、カメラにおさめたいと以前から思っていた。図らずも今回ようやく希望がかなえられ、感動の旅であった。
吹雪の中、もくもくとした黒煙、生き物のようだ。童心にかえり、零下の寒さも感じないで見ほれる。
釧網線茅沼駅駅周辺、まさにSL驀進の感である。
茅沼駅の佇まいが風情をそそる。私の住む千葉では殆ど雪景色など見られない。
しかし、時刻表では一日数本の運行のみ。2時間以上の間隔である。
茅沼駅の雪畑は丹頂鶴が数羽たむろしてい。飛び立つ鶴とSLの撮影地として写真家の愛好地でもある。
膝上まである雪をかきあげて駅の下手に向かう。昨夜からの雪で誰も通った形跡がない路である。100m進むのも大変だ。ようやく絶好の小高い丘にたどり着く。
発車の汽笛が鳴る。あの音が懐かしい。シュシュと煙を吐きながらSLが近ずいてくる。
標茶駅から釧路駅までSLに乗車窓外の景色を楽しむ。車内は満席外人が多いのも驚きだ。
厚岸群厚岸町の大雪原を走る根室本線のローカル列車。
雪煙をあげてトロトロ走る姿は一幅の絵画であり、風物詩の趣がある。
あの車両に乗ってみたい。思いが込み上げてくる。
阿寒鶴居村伊藤サンクチュアリの丹頂鶴
1年中同じ場所に住む留鳥でS27年国の天然記念物に指定されている。翼を広げると2m以上。純白の身体に頭の先に赤い丹頂、黒い羽根を持つ優雅な姿をもち誰にも愛される鳥である。
繫殖期にはつがいが求愛ダンスを踊る。寒空に向かって吐く息が愛の深さを物語っているようだ。
私はSLが好きである。もくもくと煙を吐き驀進する姿は生き物のようである。あの汽笛としゅしゅと近ずき、遠ざかるレールの響きが何とも言えない。
80歳半ばを過ぎ厳寒の北海道行きにはためらいがあったが、雪国の素晴らしい風景に接し満喫できたのも、健康であったからと思わずにはいられない。死ぬまで旅を続けたい。